平成28年度行政評価システム基本方針

1 行政評価システム導入の目的と位置付け

(1)行政を取り巻く環境
 人口減少の急速な進行、社会環境の変化に伴う住民ニーズの多様化、地方分権の進展など、地方自治体を取り巻く環境は大きく変化している。
 これらの変化に的確に対応し、限りある財源を生活者の視点に立った成果重視の効果的・効率的行政運営が求められている。「市民満足経営」、「安定経営」を行うために、民間経営の基本となるマネジメントサイクルを確立する「行政評価システム」が求められており、それぞれの自治体においても実施されている。

(2)行政評価の概念
  行政評価とは、生活者起点の効果的・効率的な行政運営に向けて、生活者の視点での成果目標を設定し、限られた行政資源を有効に活用するためのマネジメント(経営)の仕組みである。
すなわち、行政活動について、結果(何をしたか)や成果(問題・課題がどの程度解決されたか)を、目的妥当性、有効性、効率性、公平性の視点から測定または、予測・分析し、意思決定や事業内容の改善、見直し等に活用するものである。
  行政活動は、通常、企画・立案(Plan)、実施(Do)、評価(Check)、改革改善(Action)というマネジメントサイクルの中で行われるべきであり、行政評価はこのマネジメントサイクルの中に位置付けられ、活用されるものとなる。

■行政活動と行政評価


◆結果(アウトプット)

 人員や財源などを投入(インプット)することによって何をどのように、どの程度行ったかであり、行政活動によって生じた財やサービスの量や内容を指す。

◆成果(アウトカム)

 結果(アウトプット)によって問題・課題がどのように解決されたかであり、施策や事業が社会に及ぼす影響や行政目的の達成状況を指す。

 国においては、平成14年4月に「行政機関が行う政策の評価に関する法律」が施行され、「政策評価に関する標準的ガイドライン」では、国の「政策評価」の対象について次のように説明されている。

政 策
(狭義)
特定の行政課題に対応するための基本的な方針の実現を目的とする行政活動の大きなまとまり。
施 策 上記の「基本的な方針」に基づく具体的な方針の実現を目的とする行政活動のまとまりであり、「政策(狭義)」を実現するための具体的な方策や対策ととらえられるもの。
事務
事業
上記の「具体的な方策や対策」を具現化するための個々の行政手段としての事務及び事業であり、行政活動の基礎的な単位となるもの。

※国の「政策評価」における「政策」とは、上記の「政策(狭義)」「施策」「事務事業」を包含するものと考えられる。

◆政策・施策・事務事業の構造図


(3)真岡市における行政評価システム導入の目的と位置付け
①行政評価システム導入の目的

 施策や事務事業の評価を通して、市民サービスの向上や予算、人事等の行財政システムの総合的な運営の実現など行政運営の改善を図ることを目指し、具体的には、次の4項目を導入の目的とする。

・市民に対して透明性のある行政運営の実現
・成果を重視した行政運営の実現
・限られた行政資源の効率的な配分
・職員の意識改革と能力開発の推進

②行政評価システムの位置付け

 行政評価システムは、基本的には行政改革の一つの柱として捉える必要があるが、更にその取り組みの上にたって、計画・予算・組織・人事などあらゆる行政システムの有機的な結合を図る手段であり、政策目標に基づく戦略的な行政運営を行う「新たな行政システム」を確立するための一つの手法として位置付ける。
 評価の結果を市民に公表していくが、それぞれの評価の目標と評価結果は、行政内部や市民とのコミュニケーションツール(共通言語)としての役割が望まれる。
 また、常にシステム自体の見直しや、改善を行い、より良いシステムとなるよう積極的に取り組んでいかなければならない。

◆行政評価の位置付けと反映先


③行政評価の基本的な考え方

 行政評価とは、「行政の仕事(税+受益者負担金を使う)を評価すること」である。
 行政の仕事の目的は、利益創出(企業の目的とは異なる)ではなく、「健全な安定したまちづくり」である。このために、各自治体は、まちづくりや自治体のビジョンを明らかにする必要があり、このビジョンを実現する手段が政策、施策・基本事業、事務事業となる。
 行政の仕事は、そもそも受益と負担が市場原理だけで結びついているわけではない。行政の仕事の対象である市民は、「納税者」、「住民自治の主役」、行政サービスの「受益者」、行政の仕事に対する「利害関係者」など、様々な立場の顔を持っている。

◆市民の4つの顔と構造図


 行政評価の原点はこうした住民の目線に立って「行政の仕事は果して健全なまちづくりに結びついたかどうか」に答えるものであり、行政評価は行政の仕事の結果を把握し、ある結論を導くことが基本となる。
 ただし、評価は、単にある判断基準に基づいて優劣を定めて終わりということではなく、その結果が次の企画(計画、予算、組織)や実施に反映されることにより良循環が可能となる。

◆行政評価システム全体図(マネジメントシステム全体図)


2 平成28年度基本方針

 平成28度は、「事務事業評価」、「施策評価」、「政策評価」、「市民行政評価」を実施し、平成29度予算編成の方向性を示す。

(1)事務事業評価に関すること

■事務事業評価
 原則として、平成27年度に実施した事務事業について評価するものとする。
・1次評価…事務事業担当者が作成する評価シートに基づき担当課長が評価を行う。
 ※1次会議の運営方法は各課長が決定する。
・部内2次評価…担当課長が作成する評価シートに基づき担当部長が評価を行う。
 ※部内2次評価会議の運営方法は各部長が決定する。

■新規事務事業事前評価
 平成29年度の実施計画に計上された新規事務事業案について、事前評価を行う。
 対象者…政策評価会議メンバー ※別紙参照



(2)施策評価に関すること

■施策成果の現状値把握
 市民意向調査(18歳以上の市民3,000人無作為抽出)を実施し、施策の成果指標を把握する。(企画課が実施)

■施策評価
 全42施策について、成果水準や成果実績等を検証し平成27年度の振り返りを行う。
 対象者…施策主管課長及び関係課長



(3)政策評価に関すること

■施策評価結果報告会
施策の主管課長から三役・2次評価会議メンバーに対し施策評価結果を報告し、各施策の現状や問題点等について全庁的に共通認識を図る。
対象者…政策評価会議メンバー及び施策主管課長

■政策評価
施策評価結果を踏まえ、全庁的に42施策について相対的な評価を行うとともに、全庁横断的な課題の検討や次年度に向けて重点的に取組むべき施策等を示した平成29年度真岡市行政経営方針について検討する。
対象者…政策評価会議メンバー



(4)評価結果の公表

事務事業評価結果及び施策評価結果等を市ホームページで公表する。



3 進め方とスケジュール

【事務事業評価】

期 日 会議名等 対 象 会 場 内    容
5月16日まで
※別途通知
事務事業
1次評価会議
全事務事業 各課 各課において全事務事業の1次評価を行う。(平成27年度の振り返り)
5月31日まで
※別途通知
事務事業部内
2次評価会議
全事務事業 各部 各部において全事務事業の2次評価を行う。(平成27年度の振り返り)
10月下旬
※別途通知
新規事務事業
事前評価会議
政策評価会議
メンバー
別途通知 実施計画に計上された新規事業の事前評価を行う。

【施策評価】

期 日 会議名等 対 象 会 場 内    容
6月下旬
(約2日間)
*別途通知
施策評価
会議
施策主管課長

関係課長
別途通知 42施策について平成27年度の振り返りを行う。

【政策評価】

期 日 会議名等 対 象 会 場 内    容
7月上旬
(4日間)
*別途通知
施策評価
結果報告会
政策評価会議
メンバー 施策主管課長
別途通知 主管課長が、施策評価結果を政策評価会議メンバーに報告し、現状や問題点を全庁的に共通認識する。
成果実績と市の役割発揮度の評価(2次評価)まで行う。
7月下旬
(1日間)
*別途通知
政策評価
会議
政策評価会議
メンバー
別途通知 施策評価結果を基に、全庁横断的な課題や重点施策等を盛り込んだ、平成29年度の真岡市行政経営方針について検討する。

【市民行政評価】

期 日 対 象 会 場 内    容
8月下旬
(2日間)
*別途通知
市民行政評価委員

政策評価会議メンバー
別途通知 施策評価結果等を市民行政評価委員に説明し、意見交換を実施。



平成28年度 政策評価会議メンバー

職  名 氏   名 備  考
1 市 長 井 田 隆 一
2 副市長 内 田 龍 雄
3 教育長 田 上 富 男
4 総務部長 増 山   明
5 市民生活部長 野 澤 雅 孝
6 健康福祉部長 佐 藤   厚
7 産業環境部長 成 毛 純 一
8 建設部長 関   康 雄
9 会計管理者 関   一 美
10 議会事務局長 田 口   司
11 教育次長 添 野   郁
12 総務課長 上 野 公 男
13 企画課長 加 藤 敦 美
14 秘書課長 石 塚 光 夫
15 安全安心課長 田 上 和 一
16 社会福祉課長 谷田部   稔
17 農政課長 菱 沼 保 宜
18 建設課長 軽 部 紀 明
19 学校教育課長 吉 住 忠 明