岡部記念館「金鈴荘」について

更新日:2024年01月30日

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金鈴荘庭園2

岡部記念館「金鈴荘」」は、明治中期に岡部呉服店二代目岡部久四郎氏(創業者から数えると三代目)によって建てられた岡部家の別荘です。

上から撮影した金鈴荘

建物は、明治中期に岡部呉服店二代目岡部久四郎氏(創業者から数えると三代目)が建築材料等を多年にわたって集め、大工、指物師は出入りの職人を3年間東京で修業させ、十年余の歳月を費やし建築したものです。木造2階建、土蔵造りに北関東では珍しいなまこ壁仕上げが特徴的です。

回遊式の日本庭園を備え、周囲に地元の磯山(いそやま)(いし)(現在は採掘していない)を使用した石塀を巡らせており、庭に立つと静寂に包まれた別世界を味わうことが出来ます。

金鈴荘は、昭和27年まで岡部家の別荘として、関係者の接待や呉服の展示会場として使用されていました。

その後、昭和63年6月まで割烹料理店「金鈴荘」として利用されていましたが、同年8月に市が借り受け、真岡市近世百年の歴史・文化遺産として後世に引き継ぐため、岡部記念館「金鈴荘」として保存することになりました。

平成12年1月14日に栃木県有形文化財(建造物)に指定され、物産会館・木綿工房(現木綿会館)の建物と併せ、平成13年1月に岡部家から真岡市に寄付されました。

金鈴荘1階和室4

内部造作の特徴としては、床の間部分は全て紫檀(したん)、黒檀(こくたん)、鉄刀木(たがやさん)の唐木が使用されています。内部にある書画骨董類は、この地方にゆかりの深い作者のものが多く、矢橋天籟(やばしてんらい:真岡出身)、高久靄崖(たかくあいがい:黒磯出身)の掛軸、額、佐竹永陵(さたけえいりょう:東京出身)の襖絵山水画、宇都宮藩家老の県六石(あがたりくせき)、同じく藤田素堂(ふじたそどう)の天袋、地袋絵や金屏風等、文化財として価値あるものが数多くあります。

また、有島武郎の小説「或る女」の女主人公「早月葉子」のモデルといわれている「佐々城信子」が後年暮らした部屋があります。

岡部家について

岡部家は、初代を松兵衞といい、江戸時代末期に宇都宮の鈴木呉服店からのれん分けをし、現在の荒町に鈴木屋岡部呉服店として開店する傍ら、真岡木綿の仲買も行っていました。二代から四代までは代々久四郎を名乗り、明治期を通じて家業を発展させるだけでなく、道路建設や農場の整備と農民救済、銀行の設立など、真岡の近代化に大きく貢献しました。

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