住みよいまちをつくるのは、住んでいる私たち。 小さな活動から、つながり合う地域ができる
【まちつくインタビュー特別編・真岡市議会議員インタビュー】
市民から直接選挙で選ばれる市議会議員。市民の声を行政に届ける身近な存在ですが、一人ひとりが「どんな人なのか」を知るための情報が少ないと感じていました。そこで!まちをつくる一人の市民としての議員さんはどんな方なのか?まちつくインタビュー特別編としてインタビューさせていただきました!インタビューの趣旨に賛同し、ご協力いただいた議員のみなさまを、議席順に掲載していきます。
(聞き手:真岡市地域おこし協力隊 粟村千愛)

今回取材したのは、障害を持つ人の支援や外国人のための日本語教室の開催、有機農業の拡充、女性の活躍推進など幅広く活動する七海朱美さん。これまでのご経歴や、議員として大切にしている考え方、目指すまちづくりについて伺いました。
七海 朱美(ななうみ あけみ)
神奈川県川崎市生まれ。真岡女子高等学校卒業、湘央医学専門学校卒業後、研究員として大手消費財メーカーの研究所で約10年間勤務したのち、建築設計事務所、工務店で働く。出産、育児を経て、2005年作新学院大学人間文化学部に社会人入学し2007年に卒業、同年真岡市議会議員選挙に初出馬し当選(現在5期目)。2023年拓殖大学院地方政治行政研究科次席修了。日本語教室NPO法人「SAKU・ら」理事長。栃木県女性教育推進協議会会長、真岡市せせらぎ会会長、真岡西ロータリークラブ会員。東光寺町会防災リーダー・防災士。真岡東中・東小読み聞かせボランティア。
地域が子どもを見守ってくれた
ーはじめに、ご経歴を教えてください。
神奈川県川崎市生まれです。検査技師として大手消費財メーカーの栃木工場で勤務し、化粧品の安全性の研究などをしていました。10年働き結婚もしたころ、宇都宮市にインテリアコーディネーターの専門学校ができると知り、高校時代、興味があったことを思い出しました。夫に聞くと「行ってもいいよ」と言ってくれたので、働きながら週2日学校に通い、主席卒業。輸入住宅の販売会社に転職。その後工務店に移り、好きな建築の仕事をしていました。
少しして子どもを授かりました。はじめは預けて働き続けようと思っていたのですが、生まれてきた我が子は超可愛くて…。この子を預けて仕事なんてできないと思いました。すると、保育園の届け出が漏れていたようで、入園できないと言われてしまって、会社を辞めて育児に専念することにしました。
しかし息子が2、3歳になったとき、保健師さんからちょっと気になるところがあると言われ、障害がわかってきました。いつどこに行ってしまうかわからない多動な子だったので、これから先、私一人では目が届かないかもしれないと思いました。加えてその頃、家の近くで知的障害を持つ青年が通学中の子どもに再三声をかけ、不審者扱いされるという出来事がありました。息子はまだ小さいけれど、将来不審者扱いされるようになってしまうのかな。どうしたらそうならないだろう。七海さんちの子だと知ってもらえれば、不審者あつかいされない?…とかいろいろ考えました。
一方で、川崎に住んでいた頃、近所に知的障害を持つかっちゃんというお兄ちゃんが住んでいたことを思い出しました。かっちゃんがおかしなことをしても、町内の人たちは「ダメだよかっちゃん」と言ってくれる。障害を持つ人を温かく見守る地域の姿がありました。当時の真岡では、まちを歩いても知的や、目の不自由な人や身体的に障害を持つ人を見かけなかったのです。息子もかっちゃんみたいに地域の人たちに自然に育んでもらえる存在になれたら、障害のあるなしに関わらず、地域のみんなで子どもも高齢者も生活できる地域にしたいなと思いました。
そこでまずは、地域の人に息子のことを知ってもらおうと、地域の公民館で、読み聞かせボランティアを始めました。2人のママ友と一緒に月1回、絵本の読み聞かせをしたのです。
当時は0~2歳の子どもはほとんど家庭にいましたから、幼稚園に入る前に地域の中でつながりを作ろうと考えました。地域のどこにどの子が住んでいるのかわかるようになり、つながりもできました。やがて活動が認知してもらえるようになり、息子が生きづらさを抱えていることを伝えることもできました。
活動を通して地域が変わりましたね。息子は成人し東京で就職しましたが、今も交流があるまちの方がいるみたいで、息子の近況を話すと「もう知ってるわよ」なんて言われて、私よりも息子のことをよく知っているんです(笑)

障害者の親としてできるサポートを
ー議員になったきっかけは?
息子が幼稚園や学校に入る節目節目に、なかなかスムーズに入学まで進まず大変だった経験から、当時の市長との対話の中で「福祉課に福祉をよく知っている職員を置いてほしい」と伝えたことがあるんです。「私が障害について勉強してきますから、パートとして窓口で雇ってくださいね」と。作新学院大学の人間文化学部で2年間、自閉症や発達障害について学びました。すると卒業が近づいた頃、市長から「 来年の4月に市議選があるから、議員になってその(障がい者支援)仕事をしなさいよ」と言われたのです。
地盤も何もないから無理ですよとお断りしましたが、地元のボランティア仲間の皆さんが応援してくれることになり、町内会のテントにベニヤ板で囲った選挙事務所で、選挙戦が始まりました。「落選確実、七海朱美」と言われていたらしいです。正直、何をするかもよくわかっていなかったですし、障害を持つ人のための仕事ができるなら職員でも議員でもなんでもよかった。ご支援いただけたことだけで十分でした。それでも、蓋を開けたら当選させていただけて。障害者支援の提案や要求ができるようになる良いチャンスだと捉えて、当事者の親としての視点から支援の拡充に取り組んできました。
ー今後、どんなまちづくりを目指していますか?
障害を持つ人たちが、就学、就労するときなど人生全体をサポートできるまちにしていきたいです。例えば真岡には就労支援があるけれど、グレーゾーンにいる子たちが障害者枠で就職できた事例は多くありません。会社で働きたいと希望する子が就職できるようなシステムが、真岡市にもできるといいなと思っています。
また、いま取り組んでいるのは学校給食のオーガニック化です。これまでのさまざまな調査研究から、自閉症や発達障害には農薬や食品添加物など環境化学物質による汚染が関係しているといわれています。全国的には学校給食を地元産の有機米や野菜で賄っている自治体もあるので、真岡市でももっと有機農家の拡充に支援していければと考えています。今年有機農業に着手する農家を集めてセミナーを開催するところまでようやく漕ぎ付けました。給食の安心安全を求める署名活動と併せて、今後も推進していきたいです。
『まちづくり』というと高齢化や少子化が課題だと聞きますが、その地域に住みやすくて住んでいるのだとしたら、より快適にしていくのは結局、自分たちです。地域公民館など活動に使える場所を自治会で活用して、子どもからお年寄りまで皆さんが楽しいことをしていけば、結果的に楽しいまちになると考えています。何かやりたい人が3人くらい集まったら、まず気軽にやってみちゃう。始めてみるとそれがどんどん膨らんで、広がっていくと思います。真岡市内の自治会のあちこちでそういった取り組みが生まれるといいですね。その結果、真岡市全体が住みやすいまちになっていくと思います。
真岡市議会議員インタビュー・七海朱美さん (PDFファイル: 1.1MB)
取材、文章、写真:粟村千愛(真岡市地域おこし協力隊)
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総合政策部 プロジェクト推進課 まちづくり推進係
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更新日:2026年03月31日