民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について

更新日:2026年02月02日

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令和6年5月17日、民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)が成立しました(同月24日公布)。令和8年5月までに施行される予定です。

この法律は、父母の離婚等に直面する子の利益を確保するため、子の養育に関する父母の責務を明確化するとともに、親権・監護、養育費、親子交流、養子縁組、財産分与等に関する民法等の規定を見直すものです。

いわゆる「共同親権」についても、この法律により定められています。

親権・養育費・親子交流などに関する民法改正の主なポイント

1 親の責務に関するルールの明確化

こどもの未来を担う親の責任として、親権や婚姻関係があるかどうかに関わらずこどもを育てる責任と義務についてのルールが明確にされました。

■ こどもの人格の尊重

父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもの心身の健全な発達を図るため、こどもを養育する責任があります。こどもの意見に耳を傾け、こどもの人格を尊重しなければなりません。

■ こどもの扶養

父母は、こどもを養う責任があります。こどもが親と同じくらいの水準の生活を送れるようにする義務があります。

■ 父母間の人格尊重・協力義務

父母は、こどもの利益のため、お互いを尊重し協力し合わなければなりません。
ただし、次のような行為は、この義務に違反する場合があります。

  • 父母の一方から他方への暴行、脅迫、暴言等、相手の心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷など
  • 父母の一方が、他方の親による日常的な監護を不当に干渉すること
  • 父母の一方が、理由なく他方に無断でこどもを転居させること(
  • 父母間で親子交流の取決めがされたにもかかわらず、一方が特段の理由なくその実施を拒むこと

暴力等や虐待から逃げることは義務に違反しません。

■ こどもの利益のための親権行使

親権は、こどもの世話やお金や物の管理など、こどもの利益を守るために行使しなければなりません。

2 親権に関するルールの見直し

1人だけが親権を持つ【単独親権】のほかに、離婚後に父母2人ともが親権を持つ【共同親権】の選択ができるようになります。

■ 父母2人ともが親権を持つ【共同親権】の場合

●日常のことは、一方の親で決められる

食事や着る服を決めること、短い旅行、予防接種や習い事などは、父母のどちらかで決めることができます。

●大切なことは父母2人で話し合う

こどもの住む場所を変えることや将来の進学先を決めること、心と体の健康に大きな影響を与える治療やこどものお金の管理などについては父母が話しあって決められます。なお、父母の意見が対立するときには、家庭裁判所で、父母のどちらかが1人でその事項を決められるようにする裁判を受けることもできます。

■ 一方の親が決められる緊急のケース

暴力等や虐待から逃れるために引っ越すこと、病気やけがで緊急の治療が必要な場合などは、父母のどちらも1人で決めることができます。

3 養育費の支払い確保に向けた変更点

こどもの生活を守るため、養育費を確実に、しっかりと受け取れるように新たなルールの創設やルールの見直しが行われました。

■ 取り決めの実用性アップ

文書で養育費の取り決めをしていれば、支払いが滞った場合にその文書をもって一方の親の財産を差し押さえるための申立てができるようになります。

改正法施行前に養育費の取決めがされていた場合には、改正法施行後に生ずる養育費に限ってこの改正が適用されます。

■ 法定養育費とは

離婚時に養育費の取り決めがなくても、取り決めるまでの間、こどもと暮らす親が他方の親へ、こども一人あたり月額2万円の養育費を請求できる制度です。離婚後もこどもの生活が守られるよう設けられました。法定養育費は、あくまでも養育費の取決めをするまでの暫定的・補充的なものです。

法定養育費は父母間で取り決めるべき養育費の標準額や下限額を定める趣旨のものではありません。

施行後に離婚した場合が対象です。

■ 裁判手続きがスムーズに

家庭裁判所は養育費に関する裁判の手続きをスムーズに進めるために収入情報の開示を命じることができることとしています。また、養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申立てで財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差し押さえに関する手続きを行うことができるようになります。

4 安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

こどものことを最優先に、親子交流や父母以外の親族との交流に関するルールが見直されました。

■ 親子交流の試行的実施

家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うことができます。家庭裁判所はこどものためを最優先に考え、実施が適切かどうかや調査が必要かなどを検討し実施をうながします。

■ 婚姻中別居時の親子交流

父母が婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流は、こどものことを最優先に考えることを前提に、父母の協議で決め、決まらない時は家庭裁判所の審判等で決めることがルールとなります。

■ 父母以外の親族とこどもの交流

こどもと祖父母などとの間に親子のような親しい関係があり、こどものために特に必要があるといった場合は、家庭裁判所は父母以外の親族とこどもとの交流を実施するよう定めることができます。

法務省・こども家庭庁関連情報

民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)についての詳細は、法務省ホームページをご確認ください。

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