2021年度

更新日:2023年03月27日

ページID: 12358

2021-2022年 展覧会

記載内容については随時更新をいたします。

第28回企画展 関根伸夫展

 会期:2021年4月15日(木曜日)~6月14日(月曜日)

 関根伸夫(1942-2019年)は、1960年代末から1970年代まで続いた日本の現代美術の大きな動向である「もの派」を代表する作家です。関根は、「現代美術とは空間認識の問題ではないか」と考え、まだ公共空間の中に彫刻作品を設置するという考えが一般的ではなかった1973年に、都市空間や建築空間に彫刻作品を設置し、空間自体を作品にする「株式会社 環境美術研究所」を設立します。関根のアートプロジェクトは世界各地で開催され、その数は数百にもおよび、現代美術界に大きな衝撃を与えました。

 関根は、作品のアイディアやイメージを構築して行く過程で、版画や素描を制作しました。現在、関根が残した版画や素描は、関根の当時の考えや制作計画の足跡をたどることのできる貴重な資料となっています。

 本展では、関根が本格的に版画制作をはじめるきっかけとなった、1975年に開催された現代版画センターの企画展「島州一・関根伸夫 全国同時展 クロスカントリー7,500キロメートル」で発表された真岡市所蔵の版画作品を中心に、島州一の作品とともに紹介いたします。また、関根の作品の源となった貴重な素描を紹介します。

関根伸夫展のチラシ

<出品作家>

島州一、関根伸夫

主催:真岡市教育委員会

第29回企画展 モノクロームの世界 新収蔵作品と久保貞次郎の版画コレクション

 会期:2021年6月17日(木曜日)~8月2日(月曜日)

 モノクロームとは、「一つの色」を意味し、美術では、単色画、単彩画をさします。本展では、真岡市収蔵作品の中から、様々な版画技法で描かれた、主に白と黒によるモノクロームの表現を紹介いたします。久保貞次コレクションの多彩な版画作品をはじめ、2020年にご寄贈いただいた久保卓治の銅版画8点も公開いたします。

色彩あふれる現代にとって、モノクロームの表現は、一見簡素な印象を受けるかもしれません。しかし、その制作過程や作家の意図を読み解いていくと、驚くべき技量とエネルギーが宿っていることがわかります。色のコントラストと、その間にあるグラデーションによって描き出されるイメージや質感、空間、光と影などの表現は、実に豊かな広がりを見せてくれます。久保コレクションの多様な版表現を通して、奥深いモノクロームの魅力に迫ります。

モノクロームの世界 新収蔵作品と久保貞次郎の版画コレクションのチラシ

<出品作家>

  • 岩崎巴人
  • 北川民次
  • 木内克
  • 久保卓治
  • 島州一
  • 殿敷侃
  • 中林忠良

主催:真岡市教育委員会

芳賀教育美術展 関連企画 歴代の知事賞展

 会期:2021年10月1日(金曜日)~10月4日(月曜日)

 久保貞次郎(1909-1996年)の提唱した創造美育の精神を受け継ぐ芳賀教育美術展は、今年度で35回目の開催となります。これまでに、最高賞である知事賞を受賞した作品34点を一堂に展示いたします。「第35回芳賀教育美術展(会場:真岡市久保講堂)」とあわせて、ぜひご覧ください。

当初の会期は、2021年9月23日(木曜日・祝日)~10月4日(月曜日)でしたが、緊急事態宣言に伴い2021年10月1日(金曜日)~10月4日(月曜日)に変更となりました。

歴代の知事賞展のチラシ

主催:真岡市教育委員会、一般社団法人 青年会議所

第35回 真岡市美術展~真岡市の文化財~

 会期:2021年10月7日(木曜日)~10月18日(月曜日)

 今年の真岡市美術展は、「真岡市の文化財」をテーマに、市所蔵の貴重な美術品を特別展示します。この機会にぜひご覧ください。

真岡市美術展のチラシ

<出品作家>

  • 荒井寛方
  • 韓美林
  • 小泉斐
  • 田崎早雲
  • 濱田庄司
  • 矢橋天籟

主催:真岡市教育委員会

第30回企画展 追悼 飯塚国雄展

 会期:2021年10月21日(木曜日)~11月23日(火曜日・祝日)

 飯塚国雄は1939年に東京で生まれ、1961年に渡米し、ニューヨークを拠点に活動を続けた作家です。2020年4月に新型コロナウイルスに感染し、同年7月に逝去されました。「反戦・反核」のメッセージを発信し、社会派アーティストとして注目を集めましたが、色鮮やかなポップアート、女性をテーマにした柔和な水彩画など、多彩な作品を遺しました。また、1973年に「ニューヨーク日本人美術家協会」を創設し会長を務め、在米日本人作家の支援にも尽力しました。

 本展では、哀悼の意を表し、師と仰いだ美術評論家の久保貞次郎が所蔵していた久保コレクションと2021年にご寄贈いただいた新収蔵作品を通して、長年の活動の一端を紹介いたします。ニューヨークでたくましく生きた飯塚国雄の人間愛にあふれた作品世界をご堪能いただければ幸いです。

追悼飯塚国雄展のチラシ

<出品作家>

  • 飯塚国雄
  • 木村利三郎
  • 得田寿之
  • ヘンリー・ミラー
  • 満志子

主催:真岡市教育委員会

アートリンクとちぎ2021栃木県立美術館収蔵作品展「川上澄生 アラスカ物語ー刻まれた若き日の風景ー」

 会期:2021年11月27日(土曜日)~12月6日(月曜日)

 川上澄生(1895-1972年)本名、川上澄雄は、大正から昭和にかけて活躍した版画家であり、詩人です。「木版画の詩人」と呼ばれ、その独特な画と詩が織りなす詩情あふれる木版画は、川上ならではの世界といえます。

川上澄生は、宇都宮市に深いゆかりのある作家で、1921年に旧制宇都宮中学校(現・宇都宮高等学校)の英語教師となり、その頃から本格的に木版画を制作するようになりました。また、戦時中に北海道へ疎開した数年を除き、約50年間を宇都宮の地で過ごし、終戦後の1949年からは、宇都宮女子高等学校の英語教師として教鞭をとり、昼は教え子から親しまれる勤勉な英語教師、夜は木版画家として制作を続け、川上独特の作風を完成させていきました。

 また、1926年の国画創作協会展に出品した《初夏の風》を見た棟方志功(1903-1975年)が感銘を受け、版画家を志したことでも知られているように、芸術の世界にも大きな影響を与えています。川上の飽くなき創作意欲は版画作品以外にも注がれ、油彩画、水彩画、ガラス絵、焼絵、絵本、蔵書票、玩具など、多種多様な作品を生涯に渡り生み出しました。その作品たちは、今もなお、世代を越えて多くの人々を魅了し愛されています。

 本展覧会では、栃木県立美術館が収蔵する1000点にも及ぶ川上澄生作品の中から、川上澄生が若き日に、アラスカで過ごした日々を綴った『アラスカ物語』から、詩情あふれる風景作品を紹介します。

川上澄生 アラスカ物語のチラシ

<出品作家>

川上澄生

主催:真岡市教育委員会、栃木県立美術館

芳賀教育美術展 関連企画 「もおか子ども美術館」

 会期:2021年12月9日(木曜日)~2022年2月6日(日曜日)

 「子ども中心主義」という「創造美育」の理念にもとづき、子どもたちが自由にのびのびと制作できる場を提供し、応募していただいた作品を特別に展示いたします。作品が生まれる舞台となったワークショップフェスタ「みんなの久保アトリエ」の様子や「子ども学芸員」による解説パネルの制作の様子もあわせて紹介いたします。子どもたちの希望に満ちあふれた豊かな想像力を感じていただければ幸いです。

【もおか子ども美術館 人気投票結果発表】

来場者による人気投票で、人気を集めた上位5作品を真岡市役所 本庁舎に展示しました。

  • 会期:2022年2月10日(木曜日)~2月25日(金曜日)
  • 場所:真岡市役所 本庁舎1階 市民ロビー
ガラスの中に展示された複数の作品の写真

展示会場風景

真岡市役所のロビーに展示されているガラスケースに入った作品たちの写真

展示会場風景

もおか子ども美術館のチラシ

<出品者>

24名

主催:真岡市教育委員会

第32回企画展 油絵の魅力

 会期:2022年2月10日(木曜日)~5月15日(日曜日)

 ヨーロッパで誕生した油絵は、江戸末期から明治にかけて、日本の近代化と共に日本に導入された絵画です。日本の多くの作家たちも油絵を自身の表現方法として用いるようになり、現在では、日本独自の発展を遂げ、日本近代美術を支える主要な表現技法として確立しています。

 真岡市ゆかりの美術評論家、久保貞次郎が支援してきた芸術家たちも、自身の表現方法の一つの手段として油絵を描いています。

 本展では、真岡市収蔵の油絵より、作家たちが生み出した、魅力あふれる作品の数々を紹介します。筆跡から感じる作家の息づかい、大胆でありながらも、繊細なマチエールから見られる試行の痕跡を通し、作家たちが思い思いに描いた油絵の世界をお楽しみいただけたら幸いです。

油絵の魅力のポスター

<出品作家> 五十音順

  • 靉嘔
  • 安藤幹衛
  • 磯辺行久
  • 伊藤高義
  • 瑛九
  • 岡野茂
  • 北川民次
  • 久保貞次郎
  • 竹田鎭三郎

主催:真岡市教育委員会