久保コレクションについて

更新日:2023年05月17日

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 久保コレクションは2013(平成25)年に久保貞次郎の遺族から真岡市に寄贈されました。その美術品は、油彩画、水彩画、版画、彫刻などを含む総数約1460点、作家数は89名にも及び久保の交流の広さを物語っています。久保は才能を見出した作家たちの作品を購入することで作家たちを励まし経済的にも支援しました。また、久保は作品を購入するのみにとどまらず、自身が版元となり作家たちに版画の制作を依頼し数多くの版画を出版しました。久保が収集した作家は、瑛九や靉嘔、オノサト・トシノブ、池田満寿夫、磯辺行久などの前衛芸術を志した作家や、北川民次や竹田鎭三郎などメキシコに渡り影響を受けた作家など、戦後に活躍し独自の道を歩んだ作家たちです。また、アメリカの文豪ヘンリー・ミラーと交流のあった久保は、ミラーが描いた水彩画を収集し版画の出版も行いました。久保コレクションの多くは、そうした久保と作家たちとの交友から生み出されたもので形成されています。

久保貞次郎の肖像画

北川民次 《久保貞次郎肖像》 油彩 1948年頃

写真提供:栃木県立美術館

2階建て横長の建物で、外壁に大きな絵画の作品が飾られているアトリエの前で、両手を後ろに組み立っている久保貞次郎氏の白黒写真

久保貞次郎と当時の「久保アトリエ」外壁の様子

久保貞次郎について

 真岡市ゆかりの美術評論家、久保貞次郎(1909-1996年)は、創造美育協会を設立し児童美術教育の改革に努めるとともに、版画普及の推進者、近代の前衛芸術家たちの支援者としても活躍し、戦後の美術界に多くの功績を残した人物です。晩年は、跡見学園短期大学学長、町田市立国際版画美術館館長、エスペラント学会会長を歴任しました。

久保貞次郎略歴

  • 1909年 5月12日 栃木県足利市小此木家に生まれる。
  • 1933年 東京帝国大学文学部教育学科卒業。
     栃木県真岡町荒町、久保善郎(1924年3月25日亡)・キミの長女と結婚し久保と改姓。
  • 1938年 真岡小学校に久保家寄付で遠藤新設計の久保講堂竣工、記念事業として児童画公開審査会を開催(1942年7回まで開催)。
  • 1952年 創造美育協会(創美)を創立。創美全国セミナールを開催。
  • 1956年 小コレクター運動を展開。
  • 1976年 美術評論の功績により紫綬褒章受章。
  • 1986年 町田市立国際版画美術館初代館長に就任。(~93年)
  • 1989年 日本エスペラント学会会長に就任。(~96年)
  • 1996年 10月31日逝去。享年87歳。

【主な所蔵作家】五十音順

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