2023年度

更新日:2024年04月01日

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2023-2024 展覧会

第26回常設企画展 池田満寿夫とデモクラートの仲間たち

会期:2023年4月26日(木曜日)~6月25日(日曜日)
1951年、戦後まもない時代に、前衛芸術を志し表現の自由を掲げた芸術家グループが結成されました。その名は「デモクラート美術家協会」。「デモクラート」とは、デモクラシーとアートの合成語であり民主主義の美術という意味を持ちます。このグループは、前衛画家 瑛九を中心に、既成画壇に出品しないことを条件に、画家、デザイナー、写真家、評論家など、幅広いジャンルの人たちが集まりました。当時22歳の池田満寿夫も、友人の画家 靉嘔の紹介により瑛九と出会いグループに参加、やがて美術評論家の久保貞次郎とも出会うことになります。画家として無名だった池田は、瑛九のすすめにより銅版画の制作を始め、独自の落書きスタイルで世界的な版画家へと成長していきます。このデモクラートの活動をとおして、作家たちは互いの創作に刺激を与え合い、励まし合い、時には熱い討論を交わすこともありました。仲間たちと過ごした時間は池田にとって青春だったといえるでしょう。
本展では、真岡市所蔵の久保コレクションを中心に、久保貞次郎が支援したデモクラートの作家たちの作品を紹介します。自由を求めた作家たちの若き日の情熱にあふれた作品をご覧いただきます。
池田満寿夫とデモクラートの作家たち

<出品作家>

  • 池田満寿夫
  • 瑛九
  • 靉嘔
  • 泉茂
  • 磯辺行久
  • 加藤正
  • 利根山光人

 

主催:真岡市教育委員会

第27回常設企画展 木版画に親しむ

前期:伝統から新たな表現へ
■2023年6月28日(水曜日)~8月27日(日曜日)
後期:浅香公紀
■2023年8月30日(水曜日)~ 10月29日(日曜日)
版画にはさまざまな技法がありますが、木版画は最も長い歴史を持つ代表的な技法の一つです。日本では江戸時代に色彩豊かな浮世絵が確立したことによって大きく発展し、その芸術性の高さはヨーロッパの画家たちにも大きな影響を与えたことはよく知られています。明治期には作家が下絵や版の制作、刷りまでを手がける創作版画運動が起こり、より自由な表現が試みられるようになりました。戦後以降は、伝統的な木版画が受け継がれていく一方で、制作方法や表現がますます多様化していきます。版画の普及を目指した美術評論家・久保貞次郎(1909-1996)は木版画にも造詣が深く、多くの木版画家を支援し彼らの作品を収集していました。本展の前期では、その中から複数の作家を取り上げ、技法や表現の違いを通して木版画の奥深さをお伝えします。また、個人所蔵家からお借りした柄澤齊による精緻な木口木版や国際展で脚光を浴び戦後の版画界を牽引した??田穂高の作品も特別に展示します。後期では、真岡ゆかりの木版画家 浅香公紀が、長年に渡り制作を続けたカレンダーの挿絵を中心に、温かみに満ちた色彩輝く作品をお楽しみいただきます。
木版画は日本人にとって馴染みがあり、比較的取り組みやすい技法であることから、小学校の図画工作の授業にも導入されていますが、日頃は鑑賞や制作の機会が少ない人も多いのではないでしょうか。初めて彫刻刀を手にして木を削った感覚、インクの匂い、バレンで紙に刷った時の喜び。懐かしい気持ちを蘇らせながら、自然素材と卓越した手技が生み出す独特の風合いを間近でご堪能いただき、改めて木版画に親しんでいただく機会となれば幸いです。
木版画に親しむチラシ

<出品作家>
前期

  • 内間安瑆
  • 内間俊子
  • 柄澤齊
  • 北川民次
  • 笹島喜平
  • 竹田鎭三郎
  • 萩原英雄
  • 山口源
  • 𠮷田穂高

 

後期

  • 浅香公紀

 

主催:真岡市教育委員会

第28回常設企画展 書物をめぐるアート~絵画で楽しむ読書の時間~

会期:2023年11月1日(水曜日)~2024年1月8日(月・祝)
蔵書家としても知られていた美術評論家・久保貞次郎は、自らも絵本や画集、美術評論などの出版を手がけ、書物による美術の普及に努めました。本展では、真岡市所蔵の久保コレクションを中心に、書物にまつわる絵画作品を紹介します。
久保が交流した作家たちに制作を依頼した豊かな版表現で彩られた蔵書票、久保が出版に協力した北川民次の絵本『マハフノツボ(魔法の壷)』、『うさぎのみみはなぜながい』の魅力的な挿絵原画、日本でのカタログ・レゾネ(作品総目録)の普及を目指した久保が編集に関わった画集と、その特装版の版画作品、久保と親交のあった小説家ヘンリー・ミラーが描いた絵画など、多彩な作品を展示します。また、作品に関連する書物をお手にとってお楽しみいただくコーナーも特設します。さらに、渡辺私塾美術館所蔵の恩地孝四郎による『アルス 日本児童文庫』の貴重な表紙絵原画も特別に展示します。
読書離れと言われる昨今ですが、絵画に広がる物語に思いを馳せながら、改めて書物の魅力に触れていただく機会とします
書物をめぐるアートチラシ

<出品作家>

  • 靉嘔
  • 恩地孝四郎
  • 北川民次
  • 竹田鎭三郎
  • ヘンリー杉本
  • ヘンリー・ミラー
  • 森義利 他

 

主催:真岡市教育委員会

認定まちかど美術館特別展 趣味の美術館コレクション展

会期:2024年1月11日(木曜日)~3月10日(日曜日)
真岡市で「認定まちかど美術館」として支援している「趣味の美術館」は、初代館長 小島辰一氏(1928-2018)が長年にわたり収集した約100点の美術品を所蔵している個人美術館です。
中心となる西洋の美術品は、時間軸ではエジプト時代から現代までを網羅し、美術史を概観できるバラエティ豊かな構成となっています。
本展は、二代目館長 小島宏美氏のご協力のもと、貴重なコレクションの一部を展覧するものです。気品あふれる陶板画や緻密なモノクロームの銅版画、優美な女性を描いた石版画など、珠玉の作品を紹介します。この機会に、ぜひご覧ください
趣味の美術館コレクション展チラシ

<出品作家>

  • アルフォンス・ミュシャ
  • エゴン・シーレ
  • サルバドール・ダリ
  • ジャン・アントワーヌ・ヴァトー
  • ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ
  • 前田浩利 他

 

主催:真岡市教育委員会

認定まちかど美術館特別展 渡辺私塾美術館コレクション 日本画名品展

会期:2024年3月13日(水曜日)~5月12日(日曜日)
「渡辺私塾美術館」は、真岡市が「まちかど美術館」に認定し、支援している個人美術館です。「全ての人が芸術家である社会」を提唱する渡辺淑寛館長が運営する同美術館では、館長が長年にわたり収集してきた近代から現代までの日本画、洋画、版画などの美術品、総点数1,223点以上を展示しています。
本展では、渡辺私塾美術館コレクションの中から、日本独自の伝統絵画である日本画に注目し、選りすぐりの名品を紹介します。中でも、挿絵や洋画から日本画まで幅広いジャンルに精通し、日本画においては、情趣ある作品で知られる小杉放菴や、大正・昭和の京都画檀の中心的人物であった橋本関雪、日本美術院で活躍し、自然や遺跡を雄大でダイナミックに描いた栃木県出身の松本哲男の素描など、11名の作家による名品を紹介いたします。昨今では、新しい絵画の表現方法が注目され、日本画が少し遠く感じられつつありますが、本展で紹介する作品たちを通し、改めて日本画の魅力に触れていただく機会となれば幸いです。
渡辺私塾美術館コレクション展チラシ

<出品作家>

  • 荒井孝
  • 石川義
  • 入江酉一郎
  • 尾山幟
  • 小川芋銭
  • 加藤晨明
  • 川崎晴彦
  • 小杉放菴
  • 酒井三良
  • 橋本関雪
  • 松本哲男

 

主催:真岡市教育委員会

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会 文化課 文化振興係
〒321-4395
真岡市荒町5191番地 本庁舎4階
電話番号:0285-83-7732
ファックス番号:0285-83-4070
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