宇佐美コレクションについて
宇佐美コレクションは、1994(平成6)年に額縁作家の宇佐美兼吉から真岡市に寄贈されました。宇佐美は、真岡近代絵画鑑賞頒布会に参加しており、久保が支援していた作家たちと交流がありました。宇佐美コレクションは、その頒布会や作家たちとの交流の中で宇佐美が収集した作品であり、総数284点で構成され主に瑛九の作品が中心となります。

瑛九 《黄と白と青の網目》 油彩
写真提供:栃木県立美術館

真岡近代絵画鑑賞頒布会 1961年11月23日
久保アトリエにて
左端:宇佐美兼吉、その隣の前列:久保貞次郎
宇佐美兼吉略歴
- 1916年 山形県鶴岡市に生まれる。 兼吉(かねきち)が本名だが、後に額縁作家となってから謙吉(けんきち)とも称する。
- 1931年 鶴岡市内の高等小学校卒業。彫刻家を目指して上京し、木彫家・浅田良助に師事。浅田が上野で東京大地堂として、額縁制作を始めたため、それに伴って額縁制作に転じる。
- 1947年 妻の実家のある栃木県真岡市にて、額縁作家として独立。
- 1951年頃 久保の依頼で、瑛九のエッチングの額縁を製作。兜屋画廊で販売される。この頃より瑛九や北川民次などの版画や絵画の収集を始める。
- 1958年 この頃より久保貞次郎が主宰した真岡近代絵画鑑賞頒布会に参加。
- 1960年 家族を真岡市に残し埼玉県蕨市にて、西川武朗と額縁製作所を設立。従業員は4~5人。兜屋画廊の額縁制作部門の仕事をする。
- 1965年 岡鹿之助のための葡萄飾りの額縁制作を始める。その他、東郷青児、牛島憲之、中根寛、中谷泰らのために、それぞれの画家の作風に応じた独創的な額縁を制作。
- 1979年 東京芸術大学中谷泰研究室にて、留学生の何子欣(ホー・チイヤン)と会い、意気投合。以後、絵画修復家となった何と親交を重ねる。
- 1982年 4人の弟子を独立させて額縁製作所を解散し、家族の住む栃木県真岡市に戻る。
- 1994年 瑛九を中心とした美術作品283点を真岡市に寄贈。寄贈作品のうち、瑛九の絵画4点の額縁も寄贈時に製作。
- 1999年 10月13日逝去。11月絵画修復家、何子欣と二人展「對話1979年~現在」(銀座、永善堂画廊)開催。
出典:『宇佐美コレクション総目録』栃木県立美術館 2014年
所蔵作家
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更新日:2023年03月27日