移住者インタビュー4.憧れの就農で、栃木県にIターン移住

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更新日:2025年01月27日

農業への憧れから、いつか農業を始めたい。妻の出身地「いちご王国栃木」でいちご就農へ

丸山さんは北海道出身で、祖父の酪農を手伝っていた影響で農業に憧れがありました。夢を叶えるために会社員をしながら就農資金を貯め、コロナ禍をきっかけに奥様とともにいちご就農の道へ。丸山さんは覚悟や計画がしっかりあり、栽培だけでなく冷凍いちごを販売され、加工品など今後の展開も楽しみです。

真岡市に移住するまでの経緯や移住してよかったこと、真岡市の未来など、率直にホンネを語っていただきました!

各市町の就農支援を調べ「補助金やサポート」が一番充実している真岡市を選択!

真岡市に移住し、いちごの新規就農を始めたきっかけを教えてください。

子どもの頃に祖父の酪農を手伝っていた影響で農業への憧れがあり、ずっと興味がありました。前職はタクシーの運転手をしていましたがコロナ禍で業界が不安定になり、夫婦で将来を考えたときに、ちょうど資金が貯まったこともあり農業の道に進むことを決意しました。いちごが好きでしたし、妻がいちご生産地最大の栃木県出身であり、少ない農地で収益を見込めることから、作物は迷わず「いちご」を選択しました。

時間的に各市町に行くことができなかったので、栃木県農業公社主催の新規就農相談会に参加したことで、効率的に各市町の就農支援を知ることができました。そのなかで、真岡市はいちごの生産量日本一であること、そして補助金制度やサポートが一番充実していたことから、真岡市を選択しました。紹介されたいちご農家さんで約2年間働きながら、いちごの栽培に関する知識や技術を学ぶとともに経営管理を習得して、2023年に独立しました。

丸山拓矢さんの写真

丸山拓矢さん

年間のスケジュールを教えてください

品種「とちあいか」を有機肥料中心に栽培しています。10月末頃から5月中旬までがいちごの収穫時期でシーズンが終わると、本圃の片付けや消毒、畝上げ作業、そして来期の育苗管理をします。9月中頃には苗の定植をしていきながら、次の収穫に向かいます。
私が全体をみて、奥さんは補助的なサポートとして一緒に育苗管理を、また専門でいちごの選別やパック詰め、SNSで投稿してくれています。

就農してよかったことはどんなところですか。

シーズン中は忙しいですが、手を掛けた分結果が反映されるので、やりがいがあるところですね。また、シーズンが終わったら、自分のペースでお休みが調整できるのは農家の特典ですね。
出荷先はJAさん以外に自分で販路を開拓し、加工品として冷凍いちごを県外のお店に直販しています。栃木のいちごは特に県外の方に特別感があり需要があります。直接お客様から「完熟いちごは美味しい」という声をいただくと嬉しいですね。
いちごは単収が高いですし、事業に幅があり、サラリーマンではできないチャレンジができて楽しいです。

丸山拓矢さんがハウスを見ている写真
丸山拓矢さんのつくったいちごの写真

就農して難しいと感じることはどんなところですか。

土地やいちごハウスの条件が違うので、研修先で学んだ知識や技術を一つ一つ工夫しながら活かしていると実感しています。育苗やいちごの生育には温度管理が大切ですが温暖化の影響があるため温度管理が難しく、経験が少ないので時々間違えますね。また、台風や急なゲリラ豪雨など気候変動の対策を学んでいますが、自然が相手なので難しいですね。

はじめは農地探しが大変でした!辞める方もいてJAさんや関係機関からご紹介をいただきましたが、「コメや露地栽培はいいけれどハウスを建てるのはちょっと…」や、「農地とその方の自宅が隣接していて、目の前を知らない人が通ると不安がある」という理由から、条件が合わないことがありました。自分たちも探しましたが、研修先の農家さんからご紹介をいただき、やっと見つけることができました。

丸山拓矢さんのつくったいちごの写真
丸山拓矢さんがハウスでいちごを育てている様子

新規就農された時に、利用された支援制度(補助金)はありましたか

真岡市から新規就農者育成確保支援事業「経営支援」「家賃支援」と、国の制度「経営開始資金」「経営発展支援」の合計4つの支援を受けました。自分たちで工夫してビニールハウスを建てましたが、新規就農は初めにお金がかかるので補助金がないと厳しいと思います。

真岡市新規就農者支援/真岡市公式ホームページ

真岡市の好きなところはどんなところですか。

住んでみて分かりましたが、真岡市は不便というよりも逆に土地の位置がいいですね。市の中心に真岡鉄道や真岡インター(高速道路)があります。また実家が北海道なので1時間でいける茨城空港へのアクセスもいいですね。また隣接市の宇都宮市にあるFKDインターパークで買い物や、益子町でカフェなど楽しんでいます。住んでみてものすごく便利です。

(奥様)
私は県内出身ですが移住してみて分かったことは、人間関係がべったりしすぎず、程よい距離感でお付き合いしてくださることがいいですね。とくにご近所さんが温かい方ばかりで、作業をしていると応援の声をかけてくれますし、旬の茄子のお漬物やトマトとかを持ってきてくれたりします。先輩方は不要になった農機具や必要なものを分けてくれたり、分からない時は惜しみなくアドバイスをくださったり、いちごに限らず色んな知恵や知識を授けてくださいます。本当に心から感謝しています。

いちごの写真
丸山拓矢さんのつくった冷凍いちごの写真

これから農業をはじめようとしている方へのメッセージ

知り合いがいないこの地で始めることに不安もありましたが、畑で作業をしているとご近所さんがお散歩中に気にかけてくれたり、この地の人の温かさに感謝するとともに、そんな温かい人たちの住む場でいちご農家を始められたことを嬉しく思います。
真岡市はいちご農家さんが沢山いますし面倒見がいいので、自分たちでできる限り頑張れば手を差し伸べてくれる方が沢山います。
自分たちは使っていませんが『JA全農とちぎ青果物広域集出荷センター』にいちごのパッケージ施設があるので、何かあったときに便利ですね。
いちごは2人で始めるとそれなりの広さで始められて、大きくやると収入が安定しますね。奥さんと一緒に始めてメチャメチャ助かっています。不安もネガティブも当然ありますが、やればなんとかなります!!徐々にですが、加工品も増やしていきたいです。いちごは可能性があります!!

(奥様)
拓矢さんが会社員を辞めるときに、周りから「農家さんは大変だから大丈夫?とめるなら今だよ。」「サラリーマンは安定しているから、生活面で心配」など言われました。でも拓矢さんは以前の仕事より日々すごく楽しくしていて、いちごの話を毎日しています。猫の話も(笑)本当によかったねと、心から思います。
「農業をやりたい」と大きな一歩を踏み出し、好きなことにチャレンジし夢を叶えた拓矢さんが楽しそうでなによりです。パートナーやご主人が農業をやりたいならば、応援していいと思います!

丸山さんが飼っている猫の写真

未来の真岡市はどんな風になっていてほしいですか

今のまま農業の推進に力をいれて、工業団地があり、まちとして農工商のバランスがいい点を残しつつ、個人的に「観光地」が増えればいいなと思います。『いがしらリゾート』は頑張っているし、新しくできる図書館も楽しみですが、人の賑わいができる場所がもっと増えればいいなと思います。

(奥様)
せっかくいちごのまちなのに、『道の駅にのみや』以外で完熟いちごが買えるところや、いちごのスイーツが食べられるお店が少ないので、増えればいいなと思います。完熟いちごは美味しいのでもったいないです!
また、カフェとかパン屋さんなども充実していけば嬉しいです!

いがしらリゾート
いがしらリゾートのいちご狩りの写真

豊かな自然を背景に、栃木の海「一万人プール」やアスレチックなどのアクティビティ、天然温泉とラグジュアリーなキャンプ体験ができるグランピング。冬には日本一の完熟いちご狩りが楽しめます!
一年を通して楽しむことができる「楽し・癒やし・美味し いがしらリゾート」

いがしらリゾート

複合交流拠点monaca
学ぶ・遊ぶ・にぎわう複合交流拠点monacaの写真

令和7年1月25日オープン「学ぶ・遊ぶ・にぎわう複合交流拠点monaca」

子育て支援センターや屋内外子ども広場、図書館、地域交流センターを備えた、多様な年代が集う居場所を目指しています。

真岡市複合交流拠点施設整備運営事業(真岡市役所新庁舎周辺整備事業)/真岡市公式ホームページ

丸山拓矢さんプロフィール

  • 移住元:埼玉県さいたま市
  • 家族構成:妻、愛猫4匹
  • 移住した時期:2018年
  • 移住したときの年齢:30代後半
  • 現在のお仕事:いちご農家・いちご記念日を経営
    Instagram @ichigo.kinenbi

取材・文章・本人写真:檜澤しのぶ(真岡市地域おこし協力隊)

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